こんにちは!
株式会社夢工房 動画制作チームです。
近年、動画生成AIの進化によって、文章や画像をもとに、誰でも手軽に映像を作れるようになりました。
以前の記事では、動画生成AIの特徴や、企業のSNS運用・採用活動・商品紹介などでの活用方法をご紹介しました。
動画生成AIを使えば、
・撮影せずに映像を作る
・静止画を動かす
・AIアバターに話してもらう
・短時間で複数の動画素材を作る
といったことが可能です。
一方で、実際に動画生成AIを使ってみると、
「映像はきれいなのに、伝えたい内容が伝わらない」
「一部分だけ不自然な動きになってしまった」
「SNSへ投稿できる形に整えるのが難しい」
と感じることもあります。
動画生成AIは便利なツールですが、ボタン一つですべての動画が完成するわけではありません。
今回は、動画生成AIだけでは難しいことと、AIで作った素材をプロが編集する意味について、動画制作チームの視点からご紹介します!
動画生成AIは「完成品」ではなく「素材」を作るのが得意
動画生成AIに文章や画像を入力すると、短時間でクオリティーの高い映像を作ることができます。
例えば、
・存在しない風景を作る
・商品写真に動きを加える
・人物の表情や髪を自然に動かす
・イラストをアニメーション化する
・撮影が難しいシーンを映像化する
といった使い方ができます。
これまで撮影やCG制作が必要だった表現を、短時間で作れるようになったことは大きな変化です。
しかし、AIが作った映像は、そのまま企業の広告やSNSへ投稿できる「完成品」ではなく、動画を構成するための「素材」と考えた方がよい場合があります。
動画には映像だけでなく、
・伝える順番
・動画の長さ
・テロップ
・ナレーション
・BGM
・効果音
・企業や商品のイメージ
・視聴後に取ってほしい行動
など、さまざまな要素が必要だからです。
AIが魅力的な映像を生成できても、動画全体の目的や伝え方まで自動的に整理してくれるとは限りません。
AIだけでは良い動画にならない5つの理由
1.伝えたい内容に合った構成にならないことがある
動画制作で最初に考えるべきなのは、「何を作るか」ではなく「誰に何を伝えるか」です。
例えば、同じ店舗紹介動画でも、
・お店を初めて知る人に見てもらいたい
・来店を迷っている人の不安を減らしたい
・新しいメニューを知ってもらいたい
・求人応募につなげたい
など、目的によって動画の構成は変わります。
動画生成AIは、指定した場面や映像を作ることは得意ですが、企業の課題や視聴者の気持ちを理解して、最適な順番に組み立てることまでは簡単ではありません。
どれだけきれいな映像でも、伝える順番が整理されていなければ、視聴者に内容が伝わらず、途中で離脱されてしまいます。
そのため、動画制作ではAIで映像を作る前に、
「誰に見てほしいのか」
「何を一番伝えたいのか」
「動画を見た後に何をしてほしいのか」
を明確にする必要があります。
2.人物や商品の見た目が途中で変わる場合がある
動画生成AIでは、人物の顔、服装、商品の形、背景などが、途中で少しずつ変化することがあります。
例えば、
・人物の顔つきが途中で変わる
・指や手の動きが不自然になる
・服の模様が変化する
・商品のロゴや文字が崩れる
・背景にあったものが突然消える
・物の動きが現実と合わない
といった現象です。
動画生成AIの品質は向上していますが、複雑な動作や長い映像では、不自然さが残ることがあります。動画生成モデルについても、複雑な動作や長時間にわたる物理表現が課題になる場合があると公式に説明されています。
SNSでは短い時間でも繰り返し動画が再生されるため、小さな違和感が目立つこともあります。
プロ編集では、生成された映像を細かく確認し、不自然な部分を短くカットしたり、別の映像へ切り替えたりしながら、違和感を減らしていきます。
3.文字やロゴを正確に表示するのが難しい
企業動画では、映像の中に商品名、店舗名、価格、キャンペーン内容などを表示することがあります。
しかし、AIで生成した映像の中に文字を直接表示させると、
・存在しない文字になる
・漢字が崩れる
・文字が途中で変化する
・ロゴの形が変わる
・価格や数字が正しく表示されない
といった問題が起こる場合があります。
特に企業名や商品名、料金、日付などは、少しでも間違っていると誤解やトラブルにつながる可能性があります。
そのため、AIには文字の入っていない映像素材を作ってもらい、正式な文章やロゴは動画編集ソフトを使って後から追加する方法が適しています。
プロ編集では、文字の正確さだけでなく、
・読みやすい文字の大きさ
・表示する時間
・背景とのコントラスト
・スマートフォンで見たときの位置
・企業イメージに合ったフォント
まで調整します。
4.SNSに合ったテンポや長さにならない
Instagramリール、TikTok、YouTube Shortsなどのショート動画では、限られた時間の中で興味を持ってもらう必要があります。
特に動画の冒頭が長いと、伝えたい内容に入る前に離脱されてしまう可能性があります。
AIで作った映像が魅力的でも、その映像を長く使いすぎると、動画全体のテンポが悪くなってしまいます。
SNS動画では、
・最初に興味を引く場面を見せる
・不要な間を削る
・内容に合わせて映像を切り替える
・重要な言葉をテロップで強調する
・最後に保存、来店、問い合わせなどを促す
といった編集が必要です。
また、同じ内容でも、企業紹介動画とSNS用ショート動画では、適切な長さや見せ方が異なります。
プロ編集では、投稿する媒体や目的に合わせて、映像を見せる時間や切り替えのタイミングを細かく調整します。
5.企業として公開してよい内容か判断が必要
動画生成AIを企業で利用する場合は、映像の品質だけでなく、権利や情報の正確性も確認しなければなりません。
特に注意したいのは、
・他人の顔や写真を無断で使用していないか
・有名人やキャラクターに似すぎていないか
・使用した素材を商用利用できるか
・商品やサービスについて誤解を招く表現がないか
・実際には存在しない設備や効果を見せていないか
・AIで作られた映像であることを説明すべき内容ではないか
という点です。
使用するサービスや生成モデルによって、利用条件や商用利用に関する考え方も異なります。
Adobe Fireflyでは、テキストや画像から動画を生成できるほか、複数のパートナーモデルも選択できます。どのモデルを使用したかによって適用される条件が異なる可能性があるため、企業利用では最新の利用規約を確認することが重要です。
生成できたからといって、必ずそのまま広告や企業アカウントで使用できるとは限りません。
公開前には、人の目で内容を確認する工程が必要です。
プロ編集ではどのような調整を行うのか
動画生成AIで作った映像にプロ編集を加えることで、単なるAI映像から「目的が伝わる動画」へ近づけることができます。
主に、次のような作業を行います。
不自然な部分をカットする
人物の手や表情、商品の形、背景などを確認し、違和感が目立つ部分を削除します。
必要に応じて別の映像を重ねたり、画面を拡大したりして、不自然な部分が見えにくい構成に調整します。
複数のAI映像を組み合わせる
一度の生成だけで、最初から最後まで理想的な動画を作ることは簡単ではありません。
そのため、複数の映像を生成し、それぞれの良い部分を組み合わせて一本の動画にします。
短いAI映像でも、実写素材、商品写真、テロップなどと組み合わせることで、内容に変化のある動画を作ることができます。
テロップやロゴを正確に追加する
企業名、商品名、料金、日付などを編集ソフトで正確に追加します。
会社のブランドカラーや普段使用しているフォントに合わせれば、他の広告やSNS投稿との統一感も出せます。
BGMや効果音で印象を整える
映像の印象は、音によって大きく変わります。
同じ映像でも、明るいBGMを使用するか、落ち着いたBGMを使用するかによって、視聴者が受ける印象は異なります。
プロ編集では、企業や商品の雰囲気に合わせてBGMを選び、映像の切り替えに合わせて効果音を追加します。
視聴者に伝わる順番へ並べ替える
最も重要なのは、映像をきれいにすることだけではありません。
視聴者が内容を理解しやすいように、
1.興味を引く
2.商品やサービスを紹介する
3.特徴やメリットを伝える
4.問い合わせや来店につなげる
という流れを作ります。
AIで生成した映像を、動画の目的に合わせて並べ直すことも、プロ編集の大切な役割です。
AIとプロ編集を組み合わせるメリット
動画生成AIとプロ編集を組み合わせることで、これまで難しかった表現を、効率よく動画へ取り入れられるようになります。
撮影が難しい場面を表現できる
実際に撮影するには費用や時間がかかる場面でも、AIを使えば映像化できる可能性があります。
例えば、
・未来的な空間
・季節の異なる風景
・イメージを伝える抽象的な映像
・静止画しか残っていない商品の動画化
・実写では再現が難しい演出
などです。
少ない素材から動画を作れる
商品写真や店舗写真など、手元にある素材が少ない場合でも、AIによって動きを追加できることがあります。
撮影した実写映像とAI映像を組み合わせれば、すべてをAIで作るよりも、企業や店舗の実際の雰囲気を伝えやすくなります。
制作の選択肢が増える
AIを使う目的は、人の仕事をすべて置き換えることではありません。
従来の撮影や編集にAIという新しい選択肢が加わることで、予算や納期、動画の目的に合わせた制作方法を選びやすくなります。
大切なのは、
「AIを使うか、使わないか」
という二択ではなく、
「どの部分にAIを使えば、より良い動画になるか」
を考えることです。
AIに任せる部分と、人が担当する部分
動画制作では、AIと人の役割を分けることで、それぞれの強みを生かせます。
AIが得意なこと
・映像のアイデアを形にする
・複数の表現を短時間で試す
・静止画に動きを加える
・撮影が難しい映像を作る
・動画素材のバリエーションを増やす
人が担当した方がよいこと
・動画の目的とターゲットを決める
・伝える内容を整理する
・企業イメージに合う表現を選ぶ
・誤情報や不自然な部分を確認する
・テロップやロゴを正確に入れる
・見やすい長さとテンポに編集する
・公開して問題がないか最終確認する
AIは素材作りを効率化する強力なツールです。
一方で、何を伝え、どのような印象を持ってもらうかを考える部分には、今も人の判断が欠かせません。
動画生成AIを使えば制作会社は必要なくなる?
動画生成AIが進化すると、
「これからは制作会社に依頼しなくても動画を作れるのでは?」
と思う方もいるかもしれません。
確かに、簡単な動画であれば、自社で制作できる場面は増えています。
SNSの日常的な投稿や、社内で使用する短い資料動画などは、AIや動画編集アプリを活用することで、効率よく制作できます。
しかし、
・企業のイメージを大切にしたい
・商品やサービスの魅力を分かりやすく伝えたい
・採用や集客につなげたい
・複数の媒体で使用したい
・権利や表現の問題を避けたい
・AIで作った映像を自然に仕上げたい
という場合は、企画や編集の知識が重要になります。
今後の動画制作会社には、撮影や編集を行うだけでなく、AIをどこに活用し、どこを人が仕上げるべきか判断する役割も求められると考えています。
まとめ
動画生成AIは、これまで時間や費用がかかっていた映像表現を、身近にしてくれる便利なツールです。
しかし、AIが作った映像を企業の動画として活用するためには、
・目的に合った構成
・不自然な部分の修正
・正確なテロップやロゴ
・SNSに合ったテンポ
・著作権や情報の確認
・公開前の最終チェック
が必要です。
動画生成AIだけですべてを完成させようとするのではなく、AIが得意な「素材作り」と、人が得意な「企画・判断・編集」を組み合わせることが、良い動画を作るポイントです。
株式会社夢工房では、通常の動画撮影や編集だけでなく、AIを活用した動画制作にも取り組んでいます。
「AIで作った映像を自然に編集したい」
「商品写真を使って動画を作りたい」
「撮影とAIを組み合わせた動画を作りたい」
「SNSでどのような動画を発信すればよいか分からない」
といったご相談も、ぜひお気軽にお問い合わせください!
※本記事は2026年8月時点の情報をもとに作成しています。動画生成AIの機能や利用条件は変更される場合があります。企業で利用する際は、各サービスの最新情報や利用規約をご確認ください。

